これははっきり言って
「使う魔女と使わない魔女に分かれる」
です。
そもそもパワーストーンというのは魔女とは元々無縁のものです。日本でパワーストーンという言葉が爆発的に普及し、定着したのは1980年代半ばに原宿にコスモスペースというパワーストーン専門店が誕生し、そこの社長さんたちが尽力された結果、というのが歴史です。これは当時アメリカでパワーストーンブームが起こったのを日本に取り入れようという事ではじめられた、という話を私は創業者の方に直接お聞きしたことがあります。
なので、魔女とパワーストーンを結びついたのは1980年代にアメリカを中心に活発になったニューエイジムーブメント以降です。この頃魔女の世界でも「伝統にこだわらず、本を片手に自分で魔女になる」というニューエイジの魔女たちが多く誕生しました。またこの頃、それまでは学者や一部の好事家たちの物でしかなかった鉱物や半貴石をパワーストーンと呼ぶようになり、色々な意味づけがされ、それをお守りがわりにするようなパワーストーンブームがおこりました。ニューエイジの魔女たちが同じ頃に誕生したパワーストーンと結びついていくのはある意味自然だったといえるのではないでしょうか。
こうしたごく最近の歴史的な現象の結果なので「使う魔女と使わない魔女に分かれる」という事になるのです。ちなみにパワーストーンに限らず「魔女は石を使いますか? 」となると話は変わってきます。古くから魔女はそのスペルに庭の石、聖なる地の石、川の石、山の石等、色々な石を使ってきています。しかしそれはこれらの例のように「特別な場所の石」等であって、必づしも半貴石のような「特別な鉱物」ではなかったのです。
もっとも、水晶球など占い道具として使う魔女は以前からいたようですが、それにしても魔女がそんな目立つものを持っていたら簡単に魔女の証拠にされて魔女狩りにあってしまう危険がありました。なので、それはやはり第二次世界大戦後か、あるいは魔女ではなくジプシーなどの魔女ではないが占いをする人たちのイメージとまざったものです。