5.魔女としての「考える作業」

majyonohondana 魔女の思考方法論

考えるということが大切だということは今まで述べてきました。
しかし、何をどう考えていてもよいというわけではありませんし、考えない方がよいものもあるのです。

一般に「考える」ということは大きく分けると2種類あります。

①目的を持って考えるもの
②ただ、漫然と考えるもの

そして、当然魔女として、あるいは魔女志願者として求められるものは①の「目的を持って考える」という思考活動です。むしろ、②の「ただ漫然と考える」という思考活動はしないほうが良い場合の方が圧倒的に多いです。この2つの厳密な線引きは難しいのですが、そうした難しい線引きは「魔女としてのキャリア」を積んだあとに考えればよい問題で、魔女志願者や初心者魔女は「明確な目的を持って考える」という思考活動を意識して行えばよいと思います。

ただ、ここで注意していただきたいのは

「どういう目的を持って考えるか」

です。魔女志願者や初心者の魔女は考える時に

・直接魔女に関係するもの
・その他の目的

と、はっきり分けていただきたいのです。もっともやってはいけない考え方

「日常の問題を魔女と関係付けて考えること」

です。これは絶対にやってはいけません。これをすると大きくは次のような深刻な弊害が出てきます。例えば

・何でも魔女や神(女神)と関連付けて考えてしまう癖がつき、自分では気がつかないうちに現実逃避の癖がついてしまう。

・日常のものと関連付けてしまうことにより、神聖なものとそうでないものの区別がつかなくなってしまい、その判断力の修正がきかなくなる。

・自分の目の前の困難や現実的な課題などを自力で乗り越えなければいけないときに、魔女や神(女神)などを無意識に「自分への言い訳」にしてしまい、乗り越えずに迂回してしまうことになり、人間としての成長ができなくなる。

他にもあるでしょうが、すぐに思いつくだけでもこうしたことがあげられます。

ようするに「自分を客観的に分析」した上で「自分が間違っている」あるいは「自分が不足していると思う」事に関しては魔女とは無関係に「人としての努力」で克服すべきだということなのです。つまり、日常の問題は魔女とは無関係のことと認識して、目の前の問題を片付けたり、自分の「一人の人間として」の問題の整理、あるいは気持ちの整理などとして考えるべきなのです。

ここを取り違えて、魔女として…などといった考え方をし続けると、いつまでも考え方が間違ったまま、日々それを悪化させることになってしまいます。それでは、問題が解決しないばかりか、余計な問題ばかりが増え、人間としても、いつまでも自分を誤魔化し続けることになります。

たしかに魔女になるということは人生の一大事です。
それは自分の人生の根本の部分に「魔女の思想」を置くことになるわけですし、実際に人生に大きな変化が何度か訪れます。

それゆえに「魔女の思想は生き方に関わるもの」と言われるのです。だからこそ、日常の問題はそれと切り離して冷静に考える訓練が必要なのです。魔女の思想と現実の人間関係や恋愛、仕事などを関連づけで考えてしまうことは明確な間違いですから、注意が必要なのです。

それに魔女はwise manでありwise womanなのですから、こうした「思考活動の区別」がしっかりできなければ「wise」とは無縁な存在になってしまいます。当然、魔女としても成長したり一人前になることはできないのです。

(初出:橘青洲ブログ 2007.8.15 改訂2021.6.9)

タイトルとURLをコピーしました