魔女はヒーリングと呼ばれる癒しの術を使います。古の時代、魔女は薬草などを駆使したり、産婆の役割をになったり等といわゆる医者としての役割もになっていました。しかし、現代の魔女はそうした意味での医学は用いません。では、医学的な治療とヒーリングはどのように違うのでしょうか。
簡単に言えば医学的な治療では薬や手術などの物理的、化学的な技術で人を病から開放しようとします。それに対して癒しは一部のパワーストーンヒーリングなどを例外とすれば「何か物質」を使って行うものではありません。無論、アロマテラピーなどをどう捉え、どちらに分類するかは意見が分かれるところでしょうが、ここではあくまでも便宜上、「物を使うか使わないか」という観点で捉える事にします。
しかし、私はもう一つ側面がより重要だと考えます。
つまり、医学は技術であり、癒しは信仰だという側面です。医学が技術であることは誰にも異論はないでしょう。問題は「癒しは信仰に基づく」という方です。日本でいわゆるヒーラーと自称していたり、呼ばれている方にはこれを即座に否定する人も多いでしょう。信仰を持たずに癒しを行っていると主張する方も少なくないでしょう。それでも私は「癒しは信仰に基づく」と考えています。言うなれば「神や女神の力による救いの実現」なのです。
ここで一つ誤解を招かないように付け加えておくと、「癒し」を行うときに必づしも神や女神に意識的に、直接的に祈りを捧げる必要はない、ということです。もちろん、祈りを捧げても良いのですが(私は捧げています)、意識的な祈りの有無は無関係に癒しを意識したとき人は誰でも宗教的にならざるを得ないのです。これは自覚的信仰を持っているかどうかは無関係です。
さて、それでは医学と癒しはどのような関係にあるのでしょうか。
一言で言えば私は「補い合うもの」だと考えています。補完するもの、ではありません。完成も完結も保証されていないわけですから、あくまでも「補い合うもの」あえて言い換えるなら「支えあうもの」なのです。
癒しが為されたと言っても、薬が必要ないとか、手術が不要であるとか、病院の検査がいらないとかということは絶対にありません。病気の時には病院にいき、しっかりと医学的な治療を受けなければいけませんし、輸血拒否などという最悪の愚行に代表される「宗教的理由による医学の拒否」などはまったくナンセンスというよりも、人類、いやホモサピエンスであることすら放棄したといえるほど愚か極まりない存在への堕落であると断言します。
さて、話を元に戻しますが結局、魔女のヒーリングは祈りでありヒーリングの結果得られる癒しは「神や女神の力による救いの実現」なのだと言えるのです。とても簡単な説明になってしまいましたが私は魔女のヒーリングをこうしたものと考えています。