魔女の占いというと最近の人は「タロット」「水晶球占い」などのイメージでこたえる人が多いです。しかし、これらはどちらも元々魔女のものではありません。
魔女はタロットを使わずにもっと古くから「トランプ」で占っていました。トランプ占いというとジプシーのイメージが強いですし、実際ジプシー経由で魔女に伝わったものかもしれません。とはいえ、これなら魔女狩り野路代に魔女と疑われても「これはゲーム用です」といって言い逃れができたからです。また、本来の魔女のトランプ占いはソリティアゲームのピラミッドやフリーセルなどのような「暇つぶしの一人遊びにしか見えない」ようなものがほとんどです。これも占っている最中に魔女と疑われていても「暇つぶしの一人遊びをしていました」と言い逃れができたからです。
水晶球占いも同じです。魔女狩りの時代に占いようの水晶球を持っていたらそれこそ魔女確定で連行されてしまいます。そこで当時の欧州のとの過程にもあった大釜に水を張って(現代の日本の感覚で言えば台所の炊飯窯に米と水が入っていても当たり前、という感じです)、それを覗き込んで水晶球やブラックミラーを覗くのと同じようにスクライイングしていました。とはいえ、実は大釜に水を張って覗き込む、というのは水晶球よりずっと見やすいのですけどね。
現代の、特に日本では魔女狩りの心配など全くありません。だから、堂々と現代の魔女はブラックミラーや水晶球、タロットカードなどの占い専用の道具を使って占うことができるようになりましたし、実際そうしたものを使って占っています。ただ、逆に伝統的なトランプ占いができない魔女も増えてきました。たしかにタロットなどの方が便利ですからそっちにばかり流されてしまうのは仕方ないと思います。しかし、トランプ占いにはタロット占いにはない大きな利点があるのも事実です。なので、Oriental Wiccaではイニシエイションをすませた魔女にはトランプ占いがしっかりと伝授されることになっています。こうして新しいものは積極的に取り入れながらも、同時に流行り廃りに関係なく伝統が残されるのです。