「魔女になると霊能力が身につきますか？」
等の質問を受けることがあります。
結論から言えば、
これは｢魔女になると箒で空を飛べますか？｣と、いう質問と大差ありません。魔女になったからといって霊能力など、そういう能力が身につく、などということはありません。ただ、箒で空を飛ぶのと違うのは、 箒で空を飛ぶ 人はいませんが、霊能力を持っている人は実際にいる、という違いはあります。
これらの能力を持っている人は、生まれつきこうした能力を持っている人が多いようです。また、修行や訓練をすることでこれらの能力を身につけた人もいます。しかし、これは
｢魔女とは無関係｣
です。魔女の訓練や修行にもそういう訓練や修行は通常の場合ありません。ただ、結果的にそうした能力が目覚めてしまうことはそれなりの頻度であります。しかし、それはあくまでも直感力が鋭くなりすぎた場合などや、率としては低いですがそもそもそうした能力を元々持っていたり、もっと頻度は低くなりますが何かの拍子に身につけてしまうという人もいます。そうした場合の対処法を教えることはありますが、それでも最低限にすぎません。
とはいうものの、繰り返しますが、これは魔女とは基本的には無関係です。魔女でもそうしたことと縁がない人も多くいますし、そちらの方が圧倒的多数です。霊能力を身につけたい、という人に手ほどきをする、などということはまったく無意味で無価値だと思っているので、方法は知っていても決して人に教えたりはしません。
実際のところ悪徳商売をはじめて儲けよう、というのでなければ霊能力というものは邪魔になることはあっても役に立つというものではありません。
時々、特に占い師の方やスピリチュアル系のよく分からないことをしている人に多いのですが
「自分は霊能力がある」
「自分は人に見えないものが見える」
など、簡単にまとめれば
「自分は特別な力を持っている」
と確信している人がいます。自分が確信している分にはその人の自由ですから(例えば、「私は誰もが認める美少年や美少女だ」と信じていても人に迷惑をかけなければ問題ありませんよね?)、別に構いません。
ところがそうした人たちで困るのが「自分以外の人にもそれを当然のこととして認めさせたい」とか「認めているに間違いない」という確信の元、話を振ってくる人たちです。特にそれによって人にえらそうに講釈を垂れて不安にさせたり、謎の優越感に浸ったり、それに見合う尊敬と尊重を求めてきたりする人もいます。これは本当に厄介ですし、害悪があります。そもそも、自分でそう信じている人というのは大抵は、いえ、私の知る限り全員が
「何もそうした特殊能力がないのにあると思い込んでいる人」
というのが現実です。社会での現実的な強みがなく、というか実際のところは社会的弱者というのが客観的な能力であったり、自称以外の大した努力もせず、自分の言動に責任を持てないのに自分が責任感のある人だと信じていたり、そうした人だから誰にもまともに相手にされないのに周りが悪いと思っている人などが「最期の拠り所」(最「期」は誤字に非ず)としてそうした特殊能力にすがっている、というのがそうした人たちに程度の差こそあれ共通するパターンです。私のような仕事をしているとそういう人に毎月数人は避けていても出会ってしまいます。そうした人に「私たちは……」と同類に扱われる苦痛といったら……
思わず「私にはあなたのような妄想もないし、幻聴もないし、幻覚もありません」といいたくなるのを抑えるのがどれほど大変か、その素晴らしい想像力で察してほしくなります。
