この質問もわりとよくされます。同時にはっきりとは聞かずに、なんとなくこちらが察して話してくるのを待っている人が多いというものでもあります。
この話をする前に世の中ではどう考えられているのか?というのが気になってネットで検索したら、穴口恵子著『神聖な自分と出会う魔女入門』(きずな出版)という本の中の「魔女度チェックリスト」というのを見つけました。以下引用です。
(引用開始)
1.目立ったり、人前に出るのが怖い
2.人が好きだけれど、裏切られると思う
3.自分のサイキックな能力を開きたくない
4.火が怖い
5.植物を見て話せるような気がする
6.植物は癒しの力があると信じている
7.アロマオイルを毎日使っている
8.ハーブティーを好んで飲んでいる
9.薬草と聞くとなぜかワクワクしてくる
10.自然の中にいる方が自由になれる
11.クリスタルを集めている
12.クリスタルに触れると元気になる
13.クリスタルと会話できる
14.魔女と聞いたらワクワクする
15.目に見えない世界があると信じられる
16.直感が冴えている
17.個性的とまわりから言われる
18.人の役に立つことにワクワクする
19.好奇心旺盛である
20.人に変人扱いされることがある
21.星や宇宙の知識を集めたり、知識を絞ることが好き
22.どちらかというと白黒はっきりさせるほう
23.ミステリアルなことが好き
24.自分には不思議な力があると思っている
25.人間より動物や植物といるのが好き
(引用終わり)
いかにも最近流行り(?)の「魔女活」等という言葉を好むであろう人たちのイメージに沿った感じのチェックリストです。たしかに日本語の魔女は何でもありです。ただ、これが伝統的な魔女の素質という意味だとするとかなり違ってきます。このチェック項目を利用させて頂いて解説をするとなんとなく分かってくるかもしれないと思うので、1つ1つ解説してみたいと思います。もちろん、伝統的なペイガニズムの魔女以外でしたらこの限りではありません。
1、2:これは魔女の素質とは全く関係ありません。2と関連して、群衆にストレスを感じやすいことなどをあげている本等もこれとは別で時々見かけますがこれも全く関係ありません。ちなみに私は全くストレスを感じません。私もそうですが都市部で生まれ育った人の多くは私と同じく大したストレスは感じないのではないでしょうか?
3:魔女の訓練をしていくと自然とサイキック能力は向上します。もちろん個人差はかなりありますが、これを拒絶したらそもそも魔女の訓練自体が成り立ちません。
4:正直意味がわからない項目なのですが、もしかすると魔女狩りのイメージで作った項目なのかもしれません。ともあれ全く関係ありません。
5~9:これも全く関係ありません。詳しくは『魔女はハーブに詳しいですか?』 と 『魔女はアロマテラピーの専門家ですか?』を参照してください。
10:そう感じる人は多いように思いますが素質とは関係ありません。自然との一体化等を感じられる事をあげている本等もこれとは別でありますがこれも関係ありません。
11~13:これも関係ありません。また、自然物や古い物の収集癖があることなどをあげている本等もこれとは別でありますが、これも無関係です。詳しくは『魔女はパワーストーンを使いますか?』を参照してください。
14:これは「魔女の素質」ではなくてミーハーな「魔女ファンの素質」ですね。
15:これは難しい所です。神や女神の存在というもの自体が既に目に見えない世界と言えなくもないですし。その意味ならその通りです。
16:これも関係ありません。ただ、魔女の訓練をしていくうち直感が冴えてくることはよくあります。また、直感に頼りがちという人は割合的には普通の人より多いと思いますが、これも素質とは無関係です。
17:そういう人は多いかもしれませんが、素質とは関係ありません。
18:これも関係ありません。
19:そういう人は多いですが、素質という意味では全く関係ありません。
20:意外に思うかもしれませんが、本当に素質がある人は意外と常識人が多いです。目に見えない世界と現実の区別がしっかりつくことがかなり大切だからそういう傾向(常識人になるという傾向)が強くなるのはある意味当たり前だとも言えます。
21:これも全く関係ありません。関係ありませんが、「知識を絞る」ってどういう意味の日本語なのでしょうね? 私は今回初めて目にしました。知恵なら絞れるけれど、知識を絞るって?知識を狭く狭くしていくということなのでしょうか?
22:これは全く関係ありません。
23:そういう傾向の人が割合としては多いかもしれませんが素質という意味では関係ありません。
24:意外に思う人もいるかもしれませんが、これも関係ありません。エネルギーやオーラを感じ取れることなどをあげている本等もありますが、これも無関係です。
25:そういう傾向の人が割合としては多いかもしれませんが素質という意味では関係ありません。動物に好かれやすい、逆に嫌われやすい、というのも他では時々見かけますがこれも関係ありません。
と、このように見ていくと伝統的な魔女の実際と、伝統的な魔女ではない人が書いた魔女のイメージがこんなにも違う、ということが分かって頂けると思います。実際のペイガニズムの魔女に必要な素質とは
知識欲が旺盛で多少一般的平均より誠実で常識的な社会人であること
というのが流派は違ったとしても共通項だと思います。
最後にもう一度強調しておきますが、これはあくまでも伝統的なペイガニズムの魔女についてであって他の日本語の魔女に関してまで言及はしていません。
ただし、自分は魔女だと思っていたり、魔女に向いていると思っている人たちの中で魔女に決定的に向かない、そもそも素質のかけらもない人たちもいます。それについては『魔女はベジタリアンでなければいけませんか?』 に書いておきましたので、興味のある方はご覧ください。