オイル(oil)

用語集

魔女のスペルや儀式などに使う芳香油のことです。伝統的にはオリーヴオイル等の植物油にハーブを漬け込んで作ります。そのブレンドのレシピは非常に多くの種類があり、同じ名前のものでも色々なレシピがある場合があります。これは流派の違いなどから来る場合もありますが、その土地その土地で手に入りやすいものに元のレシピから代用して、という理由からの場合も多く見られます。ちなみにOriental Wiccaで常備しているものだけでも300種類以上あるようです。

さて、ニューエイジムーヴメントが魔女の世界に影響を与えだしたころから、植物油にエッセンシャルオイル(精油)を混ぜて作るという簡単な作製方法が広がり始め、スコット・カニンガム(Scott Cunningham)が1989に『The Complete Book of Incense, Oils & Brews』(邦題:『願いを叶える魔法の香り事典』)の中でオイルの作り方をレシピと共に詳細に述べていますが、そこで紹介されていたレシピがすべてエッセンシャルオイルを使うもので、伝統的なハーブを漬け込む方法ではないもののみを紹介していたことから「魔女のオイルはエッセンシャルオイルを使うもの」と広めてしまいました。しかし、カニンガム自身が出演しているWiccaのハーブマジックのビデオ『Herb Magic』(かつて吹き替え版が魔女の家BOOKSから『魔女のハーブ魔術』という名前で出ていました)では、伝統的な方法を実演しながら紹介していました。なので書籍のレシピがエッセンシャルオイルばかりなのは営業的事情でカニンガム自身が伝統的な方法を無視していたというわけではないのではないかと思われます。

閑話休題。
やはり魔女はオイルを作るに当たってまづは伝統的方法を実践すべきです。エッセンシャルオイルで作る方法はたしかに手軽ですが、そもそも本来は時代的にありえなかった水蒸気蒸留法等で作られているものを使うことはやはり元々の力を引き出すことが難しいからです。

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