物、とくに儀式や祈りの場で使用する器具や、神像などの信仰の助けとなるもの、占いの道具等、私たちが神や女神とつながるために用いるものを決まった手順で俗世間から切り離し、聖なるものとして、他のものとは別のものとすることです。
簡単に言えば「ただの物」を「神聖で特別な物」にすることです。
聖別をする一連の儀式を「聖別の儀式」、そこで使う祈りの言葉などを「聖別の祈り」と言います。
基本的には物に対して行われるものですが、イニシエイションの際の清めの儀式等はある意味人間を聖別する儀式と考えることもできます。また個人的な特別な祈りの一部(例えば「病気快癒の祈り」「死に際しての祈り」「誕生の祈り」等)も人間に対して行われる広い意味である種の聖別といえます。大きなものでは家の新築時等の祈りの時に建物に行われる幸運を呼ぶような儀式や祈りを捧げる前の清めの儀式も一種の聖別と言えなくもありません。
聖別は基本的に新しい物に対して行われるものですが、アンティークの物や遺品など、新しく手に入れることが困難な古い道具などを聖なるものとして使う前に行うこともあります。
聖別されたものは、聖別解除がなされるまでは聖なるものとされて、他の目的に使用することは出来ません。逆に聖別したものを一般的な目的で使用してしまった場合、その聖別は解除されてしまい、その場合再度聖別されるまで祈りや儀式などに使う聖なるものとしての力は失ってしまいます。
また、物によっては2度目の聖別はできないものもあります。
もちろん聖別解除されてしまったものをそのまま儀式などに用いることはできません。そのまま使ってしまった場合、スペルなどが失敗するだけでなく、逆によくない方向に祈りや儀式、あるいは人を導いてしまうことすらあります。
分かりやすい例で言えば「占い用として聖別されたトランプでカードゲームをしてしまった場合、そのトランプでその後占っても、その占いは全く当てにならないか、人を悪い方に引っ張ってしまうような結果がもっともらしく現れたりする」という様なことが起こるのです。
一つ大切なことは聖別されたものを販売することは誰であっても禁止されているということです。もし、通信販売などで「聖別済のもの」が販売されていたとしたらそれは明確にまがい物であり偽物と断定して良いでしょう。
聖別は魔女の所に聖別したいものを持ち込んで聖別を依頼すればよく、聖別は基本的に無料でしてもらえるもの(もちろん実費などは出しましょう)で、まともな魔女なら聖別で利益を出してはいけないことを知っているものです。また自分が初心者魔女であったり、魔女志願者であった場合は聖別の仕方を教えてくれることもあります。