ノベナ(ラテン語: Novem)

用語集

特別な目的の為に特定の崇敬対象に対する自分の願いをかなえるための「9日間の祈り」の儀式の事です。「ノベナ」は、ラテン語の「9つの」を意味する形容詞から名付けられたとされています。

キリスト教では17世紀に始まった信心業ですが、元々はキリスト教以前の異教徒(Pagan、Heathen等)の習慣や儀式で、キリスト教化されたヨーロッパに根強く残っていたものがもとになっています。なので聖アウグスティヌス(Aurelius Augustinus)、 ジャン・ベレト(John Beleth) といったカトリックの著作家たちは、この古い習慣を真似しないように警告していますが、この民衆信仰を無くすことができず信仰業に取り込まざるを得なかった歴史があり、今では様々な『[崇敬する聖人等]への [叶えたい目的の]ための九日間の祈り』という形のノベナの祈りの文章などがカトリック教会、聖公会、東方正教会、プロテスタントのルター派教会などによって作り出されていますが、もともとは魔女などペイガンが特定の神や女神に捧げた祈りの方法です。

キリスト教では自宅などで行うものと、教会で行うことが必要となるものとがありますが、あたりまえですが、本来は教会で行う必要があるものなどはなく、

①落ちついて祈ることができる場所(必須)
②連日同じ場所で続けることが可能な場所(必須)
③出来るだけ自然に親しめる場所(努力義務)

が条件であり、③は元々そうした環境で生まれたものなのでそう在る方がよい、というもので、もしそうした環境でなくても可能なので必須ではありません。ただ、可能ならば植物を置くなど自然に近づく努力はできるに越したことはないでしょう。そういう観点で言えば、ノベナは家庭、祭壇をつくる場所、または厳粛な祈りを唱えられる場所であれば何処でも行えるとも言えます。

ノベナの祈りにおいては目的に見合ったインセンスもキャンドルなどを使うことも一般的です。これももちろん必須ではありませんがあった方がよりパワフルになったり、願いがかないやすくなったりすることが多いです。しかし一番大切なのは同じ形式で9日間連続して落ちついて祈ることができることです。

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